大浜エレジー

大浜エレジー

 

 

夜の大浜海岸通り

背中を撫でる磯の風

耳をすませば波の音

聞こえてくるのわたしの胸に

あああの人に
逢いたくて
夢でいいから

 

 


見知らぬ町へ
よう子がひとり

風が吹いてる城下町

頬を伝わる潮の香が

やさしくわたしを引き寄せてくる

ああ砂浜の
ひとり道
海が騒いでる

 

 

わたしひとりが捨てられて

あの日のあなたが背を向ける

宿に届いた別れの文

ふたりの過去を記しているの

ああ恋なんて
もうしない
二度とはしない

 

 


恋に溺れた馬鹿なわたし

月が照らす城山に

帰らぬ夢と未練捨て

夜が更けゆく旅路の宿の

ああこれからは
ひとりきり
生きて行きます