裏窓ブルース

裏窓ブルース

 

 

花の咲かない路地裏通り

壁に火影が揺れている

目には映らぬ止まり木の

瞼に小雨がまたひとつ

 

 


呼べど叫べど帰らぬ人を

待てど暮らせど忍び坂

思い出させる浴衣着の

未練の傷痕目に染みる

 

 

影に隠れた流浪の暮らし

堪えていたとて日が差さぬ

まだ来ぬ明日を待ちながら

窓辺にこぼれる朝の露


 


 

ダンシングムード

ダンシングムード

 


ダンスホールの片隅で

あなたとふたり手をとって

ジルバを踊れば夢の中

時たま見える囁きに

瞳をあわせば口づけを

 

 

夢を奏でるブルースに

心を寄せてふたりきり

リズムをあわせて恋ムード

スポットライトが影映し

ふたりのハートは夢心地

 

 


ルンバのテンポに胸合わせ

足取り軽く舞踊り

ふたりのムードはピンクカラー

今夜の行き先尋ねたら

目と目で交わすアイサイン

 


 


 

涙のハートシンガー

涙のハートシンガー

 

 


乾いた涙に口づけをして

別れたあの夜小雨が閉ざし

夜の波間に紅薔薇投げて

波止場の霧笛に心揺らされる

 

夜のネオンに身を委ねても

夜空の星に身を任せても

港のライトに涙を呼んで

瞬く星座に涙を賭けて

濁ったハートは闇夜に押されて

嘆いてみても取り返せない

迷ったハートは暗夜に突かれて

足跡残さず取り戻せない

 

 

 


闇が遮る街角の音

別離を交わした景色が映り

茜色したサインの中で

夜行の列車に心焦がされる


愛するハートを捨てたとしても

恋するハートを投げたとしても

愛した瞳は呼び戻されて

恋したルージュは真っ赤に染まり

ひとりきりではカゴメのように

何もできない孤独なものさ

涙に濡れ沿い雫石が止まらず

夜のしじまに堕ちていくのさ

 


 


 

ナッシングソング

ナッシングソング

 


恋の終わりが来て

雨のしずくに尋ねて

誰もいない街路をひとりで歩く

通りすがる人は見えない

 

 

 

宛てない旅の中

風の音とともに

ゆらり揺られて
鋪道のベンチに座る

聞こえてくるのは列車の汽笛

 

 


見つけた喫茶店

ホットコーヒー飲んでみて

時間をもてあましてタバコをふかす

浮かぶ煙は目の前もやもや

 

 

 

たどり着いたところは

いつの間にか玄関

腰をおろして革靴を捨てる

部屋の中には誰もいない

 


 


 

ふたり道

ふたり道

 
冷たい世間の風を受け

流れ流され今まで生きた

運命悲しいあなたとわたし

あなたの影に寄り添って

今日の今日まで忍び坂 

耐えて忍んだふたり道

 

 


情けの川面に身を浮かべ

涙流して泣き濡れて

一夜一夜のさびしさに

胸を焦がして煽られて

苦労重ねて泣きながら

ここまで来ましたふたり道

 

 

明日は何処(いずこ)か窓の外


問わず語りの無言歌で

心の置き場なくしても

あなたとならばかまわない

耐えて花咲くふたりなら

生きていきますふたり道


 


 

あなたの愛が

あなたの愛が

 


恋に破れた日帰ってほしいと

いくら悔やんでも戻ってこない

あの日の出来事思い浮かべても

あなたの声は聞こえてこない

夢の谷間で耐えきれず

あなたの名前を探してみても

 

夢の風間で偲んでみても

ふたりで過ごした愛の日々

何処にも見ること今ではできない


孤独に耽るひとりきりの部屋

鏡に写る涙の流れに

秘められているの

あなたの愛が

 

 

 


恋を捨てた日に戻ってほしいと

いくら嘆いても引き返せない

過去の足跡追いかけてみても

あなたの影は消えていくだけ

心の扉が我慢できずに

あなたの姿を尋ねてみても

心の鎖が慕っているの

ふたりで暮らした愛の日々

何処へ行っても浮かんでくるの

孤独に歩く街の片隅で

ネオンに映る涙の雫石に

隠されているの

あなたの愛が

 

 

うつろな瞳に漂うの

あなたと残した愛の日々

鏡に写るルージュの紅に

映っているの

あなたの愛が

 


 


 

俺とお前のストリーム

俺とお前のストリーム

 


お前に初めて出逢った時は

つぶらな瞳が輝いて

俺はすぐにハートを打たれ

一目見ただけで心奪われた

 

俺とお前に魅せられたのさ

素敵な笑顔が魅力なのさ

けれども時々つれない素振り

俺は迷ってときめいてくる

そんな時には町を歩いて

そんな時には歌を歌って

俺の気持ちは駆け巡るのさ

 

お前のエクボを見つめていると

胸の芯まで染み透り

俺のすべてはかき乱されて

いつもお前に魅惑されてくる

だけどお前が嫌だとしたら

だけどお前が拒んでいたら

いつになっても孤独なふたりさ

いつかふたりが打ち明けあって

いつかふたりが語り明かして

そんなふたりが付き添い合えば

そんなふたりが寄り添い合えば

俺とお前の幸せがくるさ

 

 

 

 

 

お前の流す涙の中に

俺の姿が浮かんでいたら

俺の心に想いが募り

お前の涙に揺られてしまう

お前の告げるハートの奥に

いつでも涙が隠れていたら

俺のハートに写し出されて

涙がふたりを結びつけてくる

その時こぼした真珠の涙

その時こぼしたルージュの涙

涙の小粒は忘れはしない

俺はお前に惹き付けられる

ヘアスタイル ファッションセンス

そんなお前に身を寄せられて

お前を思わず抱きしめたくて

たとえお前が避けたとしても

たとえお前が逃げたとしても

時がふたりを離しはしない

いくらお前が憎んでみても

いくらお前が恨んでみても

そんなお前が恋しくなって

そんなお前が愛しくなって

俺とお前は愛し合えるのさ