夜明けへの詩

夜明けへの詩(うた)

 

 

あの日のあなた今はどうしてる

あの日から時はすばやく流れて

思いが巡り繰り返されて

忘れることができればいいと


悲しみに暮れる月日が続いて

日々の涙に頭を垂れて

合わせた胸に祈りを込めて

夜の明かりにランプを灯し

浮かぶ姿に身を寄せながら

好きなあなたが夢の中で

 

 

 

涙に濡れても悲しくなるだけ

嬉しく感じて笑っていたい

曇った心に光を照らして

まわりの景色を眺めてみれば

空と海と山と人の
微笑みが揺れて

朝日が告げるその日の行方を

空を見上げて尋ねながら

夕陽が落ちて見えなくなっても

明日の夜明けがすぐにくる

 


陽はまた昇り陽はまた沈み

それでも明日の夜明けがくる


 


 

ほろ酔い

ほろ酔い

 

今宵またバーボンウイスキー取り出して


ペニーレインの素敵なあの娘を今夜の恋と

夢見て眠れば今日も過ぎ行く

ゆらりゆらゆら波乗りして行けば

ふらりふらふら波乗りして行けば

いつかたどり着くさ探していた島へ

夢見て眠れば今日の夕陽が沈む

酔いつぶれて眠れば今日の夕陽も落ちる

 


今宵またバーボンウイスキー飲み干して

ブラックバニーのキャンドルガールを今夜の恋と

夢見て眠れば今日も過ぎ行く

ゆらりゆらゆら波乗りして行けば

ふらりふらふら波乗りして行けば

いつかたどり着くさ探していた島へ

夢見て眠れば明日の太陽があける

酔いつぶれて眠れば明日の太陽も昇る

 


 


 

大浜エレジー

大浜エレジー

 

 

夜の大浜海岸通り

背中を撫でる磯の風

耳をすませば波の音

聞こえてくるのわたしの胸に

あああの人に
逢いたくて
夢でいいから

 

 


見知らぬ町へ
よう子がひとり

風が吹いてる城下町

頬を伝わる潮の香が

やさしくわたしを引き寄せてくる

ああ砂浜の
ひとり道
海が騒いでる

 

 

わたしひとりが捨てられて

あの日のあなたが背を向ける

宿に届いた別れの文

ふたりの過去を記しているの

ああ恋なんて
もうしない
二度とはしない

 

 


恋に溺れた馬鹿なわたし

月が照らす城山に

帰らぬ夢と未練捨て

夜が更けゆく旅路の宿の

ああこれからは
ひとりきり
生きて行きます


 


 

やっぱりあんたは

やっぱりあんたは

 

 

やっぱりあんたは男だった

貫き通した男の意気じ

俺には真似はできるはずもない

あんたの生き方こうべがさがる

今では感謝の気持ちが涌いてる

やっぱりあんたは男だった

やっぱりあんたは俺の親父だった

 

 

 

やっぱりあんたは男だった

弱さを見せずに泣き顔も見せず

後ろ姿で育てられて

いつもあんたに着いて行った

ふたりで歩けば親子鷹

やっぱりあんたは男だった

やっぱりあんたは俺の親父だった

 


やっぱりあんたは男だった

見よう見まねで知らないうちに

あんたの姿が身に付いていた

今では見えないあんたの姿

面影偲んで涙を流す

やっぱりあんたは男だった

やっぱりあんたは俺の親父だった


 


 

酔いしれて

酔いしれて


ひとりぼっちの夜がさびしくて

酒に溺れて泣く女

そんなに飲んでもうおよし

見知らぬ誰かが言うけれど

ああ あの日のあなたのことは

ああ捨てたはずなのに


お酒で淋しさ紛らして

ひとり 酔いしれて 

 

 

 

小さなひとつのことだけの

思い出ばかり繰り返す

深酒しては駄目だよと

振り向くあなたが言うけれど

ああ 過去のことは捨てたはずなのに

ああ あなたのことを忘れたはずなのに

お酒で悲しさ紛らして

ああ ひとり 酔いしれて

 

 

 

ああ あの日のことは捨てたはずなのに

ああ あなたのことは忘れたはずなのに

お酒で淋しさ紛らして

ああ ひとり 酔いしれて 

 


 


 

子守唄を歌ってよ

子守唄を歌ってよ

 


さびしい風が部屋に押し寄せる

独り寝の悲しさに涙がこぼれでる


流れる風が冷たさを投げてきて

部屋の灯火なくしてしまう

だから歌ってよ歌ってよ

赤子に聞かせる歌のように

だから歌ってよ歌ってよ

明日が見える子守唄を

 

 


時計の針を聴きながら

部屋の暗さに身を任せ

独り寝のさびしさに

心が泣いている


部屋のランプを灯しても

夜の長さが身にしみて

ひとり籠った部屋の中

胸に涙を運んでくる


だから歌ってよ歌ってよ

母に聞いた歌のように

だから歌ってよ歌ってよ

子守唄を歌ってほしい


 


 

俺が悪いのさ

俺が悪いのさ

 

ポイとほかしたタバコ一本の

煙が庭に立ち込める

車がすぐに走り寄ってきて

跡形を残さず踏みつぶす


ひとりの男のひとつの願い

さびしい男の小さな願い

煙も残さず消えていく

誰のせいでもないものを

みんなこの俺が悪いのさ

 

 

窓をあければ冷たい風が

頬を濡らして通り過ぎていく

部屋の空気も埃にまみれて

そばのギターもケースをかぶる


ひとりの男のひとつの思い

悲しい男の小さな思い

音も立てずに崩れてく

誰のせいでもないものを

みんなこの俺が悪いのさ